諸事情により三茶に出向く。
他の店に行くときや帰りに三茶を通ることはあったが、三茶の店に行くのは初めて。
二つの候補があったが、一方は行列になっているという情報を得、混んでいない方をチョイス。
商店街に色々な店が並ぶなかにヴィレバンなんかがあったりして、その近くに店はある。
佇まいは日本風のちょっとした飲み屋?のような感じ。
木の引き戸を開けると、まさにそんな感じのカウンターと、やや強面の店主。
他の客は中年の男女が酒を飲んでいた。
メニューには「つまみ」という項目があり、ハートランドビールなどもある。
ラーメン屋でありながら一杯やることもできる、という感じのようだ。
メニューを見て、ちょっと高かったがせっかくだしということで肉麺1200円を注文。
この肉麺はいわゆる全部乗せ的なものだ。
ラーメンの種類としては大まかに鶏ガラの白湯と味噌だけのような。
肉麺は白湯の方に属する。
ちなみに注文を受けた時の店主は見た目とは違い感じは良かった。
いい感じに古びたような、一昔前のような佇まいで落ち着く店内だ。
人の話し声も、調理する音もまったく聞こえないほどの静けさがある雰囲気だ。
個人的にはこういう店好き。一人で来て、なんの違和感もなくいられる店だ。
10分かからないくらいで着麺!
ほほおう、いいね。
チャーシューが三種類、味玉、ネギ、穂先メンマかな。
まずはメンマ。
色は白く、なんだか独特の香りだ。
味はあまりメンマっぽくなくナチュラルな感じだ。柔らかめ。
ある程度の長さがあるものが3本くらい入ってる。
そして次に麺。
これは…細麺だが存在感がしっかりあり、柔らかめにゆでられている。
なんだか、懐かしいような感じだ。
割とアツアツのスープと柔らかめの麺。
これは冬のラーメンだな、という感じだ。
スープは白湯なのだが、何の味がすると聞かれると困る。
見た目は油も浮いているのだが、油っこさはまったくない。
スープだけを飲むと何の味がなのかわからないが、間違いなく味があるしコクがある。
まさに出汁だけで作ったんだという感じだ。主張しすぎず、かといって存在感がないわけではない。
なんだか優しい味だ。
チャーシューを行ってみる。
まずは一番左の鶏チャーシュー。
これはタンパクながらもほろりと柔らかくて美味い!
鶏チャーシューって他の店でも食べるけど、どこも美味しく作るよね。
ここのも間違いなく美味かった!
次に真ん中のチャーシュー。これがベーシックチャーシューかな?
これはいい感じに脂が乗っている。柔らかくも素材の味が出ていてこれも美味い!
そして一番右の炙りチャーシューと思われるもの。
これはベーシックチャーシューに香ばしさをプラスしたようなものだ。
肉感を失わないながらも非常に柔らかい!これも美味い!
この三種類のチャーシューはすべてそれぞれ美味い!
そしてそのチャーシューに一体感を持たせているのはやはりスープか?
チャーシューの味を邪魔しないながらも優しく包み込んでいるかのうようだ!
チャーシューをおかずにすると麺もまたより一層美味い!
これは本当に高い完成度だ。
後からホームページをみたら「動物性油を極力控え、また化学調味料、白砂糖などを一切使用しておりません」とある。
この味のあるようなないような感じだけど絶妙、というスープはそういうことだったのだな。
薄味だが、間違いなくラーメンのスープなのだ。なんだかこれはすごい。
そして味玉。これもまたすごい。
白身は間違いなく固まっているのだが、箸でつかむと想像以上に柔らかい!
持ち上げたらやぶれて黄身が溢れ出す!
その黄身がまた濃い黄色をしていてトロトロとしているぞ!
食べてみると、白身の部分が少なく黄身は非常に濃厚!これは作り方なのか、それとも卵そのものが違うのか…。なんにしても美味い!
チャーシューはどのラーメンにも1枚は入ってると思うが、そこに味玉トッピングは是非おすすめ!
青ネギもいいアクセントになっていて、本当に一杯のラーメンとして完成されているとさえ思う。
久々に関心するラーメン。
麺、スープ、そしてトッピングと、すべてで楽しめる!
気になったのは、あのメンマの独特の香りくらいかな…。なんとも説明が難しいけど。
でもそれも最初だけで、食べ始めたらまったく気にならなかったんだけどね。
もう本当に集中して黙々と食べてしまった。
本当に信念のようなものを感じる、芸術品だとさえ思える一杯だった。
当然白湯は薄味だし、量もそこまで多くないから好みは分かれるかもしれない。
でも仕事帰りにあっさりなラーメンを食べたいな、という感じならうってつけだろう。
店の雰囲気も、このラーメンもぴったりだと思う。
久々の夜ラーでこれを食べたのも何かの縁か…。
なんだか関心して神妙な気持ちになってしまった。
また新たなラーメンをいうものを発見した気分だ。
これはホント、おすすめ。
一人で切り盛りしている店主の手が空くを待ってお会計。
この木の引き戸もなんか雰囲気あるよね。
今日はそこそこ暖かかったけど、もっと寒かったらもっと良かったかもなぁ。
そんなことを考えながら細い路地を歩いていく。
いやぁ、今日はいい出会いだったな。
なんとも言えないいい気分で、駅に向かってのんびりと歩いていくのであった。